2025.10.08 00:172025年11月の訓示剣道上達の道 -気位ー剣道における精神面の高さ、精神美とでも名付けるべきものは、「気」の働きでしょう。この気の働きが心を充実させ、積極性を盛り上げ、同時に身体のなめらかで旺盛な動きを作り出すのです。「剣道形」で「気位」が特に強く要求されるのは、剣道形が剣道の技術と精神の精髄を集めたものであるからであり、この「気位」を高く持つことによって、...
2025.09.02 23:492025年10月の訓示剣道上達の道 -かけ声-発声は、動作に活気をつけ、打突の箇所を明確にし、技が充実してくるという効果を持っています。ですから元気よく大いに出すべきですが、理想は「内に充実して無声になる」と言われています。「声でなく気魄で相手を圧倒せよ」という意味だと考えていいでしょう。実際どんな大きな声をあげても、気合の入らない声もあり、低くうなるような声...
2025.09.02 23:372025年9月の訓示剣道上達の道 -見取り稽古の「姿勢・技・気勢」-見取り稽古で見るべきポイント<姿勢>全身が伸び伸びとしていて、正しいか?落ち着いているか?動作が敏しょうで円滑であるか?技の癖はないか?足の位置、踏み方、竹刀の持ち方はどうか?など、細部にわたって見ます。<技>打突の速度、正確さはどうか?両ひじの屈伸と打ちがひとつであるか?手の内・先・残心・...
2025.07.27 09:092025年8月の訓示剣道上達の道 -見取り稽古-剣道の見学のことを」「見取り稽古」と言いますが、剣道では、ただ単なる見学ではなく、剣道修行の一つとして重んじられています。一生懸命行われる稽古や試合を見学する場合は、厳しい気持ちで規則を守り、服装・姿勢を正しくし、あらゆる角度から観察して、競技者二人の相互の関係をとらえ、自分の日頃の技と比較して、反省の材料とし...
2025.06.08 02:172025年7月の訓示剣道上達の道 ー懸待一致ー攻めることと守ることが、たえず結びついて行われていることを「懸待一致」(けんたいいっち)と言います。攻撃する場合でも、十分な守りができているようになることが大切です。相手に攻撃をかける、相手からの攻撃を待って防ぐ。防ぐと同時に攻撃にうつる。攻撃にうつると同時に、相手からの不意の逆襲に備えて守る。こうした二者の関係...
2025.05.06 12:182025年6月の訓示剣道上達の道 -四戒の「惑(わく)」「惑」は、まどうこと、まようことです。どの技をだしたらよいか瞬間の決断がつかなかったら技は中途半端なものになります。まよっていては「先の技」をとることなどおよびもつきません。この「驚・懼・疑・惑」は技の体得とともに一つずつ消えていきます。相当の稽古を積めば、相手の雰囲気に押されて、「びくびくする」という...
2025.04.16 01:292025年5月の訓示剣道上達の道 ー四戒の「疑(ぎ)」-「疑」とは、相手の技、先の起こりに対するうたがいの心です。面を打ってくるのかなあ、それとも小手をねらっているのかなあ?と、たえず相手の出方を疑い、また、面を打っても大丈夫かなあ、はずされはしないかなあ?と、うたがってかかり、確信のある技を出すことができないことをいましめたものです。次号は「四戒の惑」です...
2025.03.02 03:432025年4月の訓示剣道上達の道 ー四戒の「懼」(く)ー「懼」とは心のおそれです。「驚」が外見や外形に対する動揺であるのに対して、「懼」は心中に起きた動揺です。試合場の雰囲気にのまれたり、わけもなく相手が強そうに見えたり、いかにも練習を積んでいそうだな、と思うようなおそれを「懼」といっていましめたのです。心の持ち方を問題にするとしたら、これこそ自分の心の持ち...
2024.11.11 01:392024年12月の訓示剣道上達の道 -手の内①-【竹刀の握り方】剣道でいう手の内とは、竹刀の柄を持った両の手の持ち方を言い、力の入れ方、打突の際の両手の緊張の状態とつりあいなども含めます。持ち方は、左手は柄頭から小指が出ないようにいっぱいに持ち、右手は鍔にふれない程度に持つ、左右両手とも親指と小指と薬指とで握ります。ひじは伸びすぎず、両腕の肩関節を柔らかくして...
2024.10.07 01:162024年11月の訓示剣道上達の道 -気剣体の一致-攻撃の心(気)と、剣の技術(剣)と、それにふさわしい体の構え(体)とが一致してこそ、はじめて剣道であり、有効な打突となるという教えです。非常によく当たったが、掛け声が出ていなかったり、掛け声鋭くびしっと面に当たったが、体が前かがみになっていたり、実によい姿勢、よいタイミングで出ばな小手を打ったのに、竹刀の弦の...
2024.09.02 00:562024年10月の訓示剣道上達の道 -残心ー残心とは、打突が終わった後でも、少しも油断せず、次に起こるどんな変化にも直ちに応じられる心構えのことです。「残心」とは「心ヲ残ス」ことではなく、「残ル心」のことです。100%の気合で攻撃することによってのみ十分な打突ができ、その瞬間、自然に心が残るといわれています。コップ一杯の水を、少しずつたらたらのこぼせば、一滴の...
2024.08.05 00:352024年9月の訓示剣道上達の道 ー止心ー心(注意)が、一つのものにとらわれることです。例えば竹刀の動きにばかり気をとられて、打ち込んできたら受けよう、すり上げて面を打とうなどと考え、自分がどう攻めていくか、相手のどこにどんなすきが出たかを発見することができないでいる心のことです。これでは、動きも消極的になり、受動的になるため必ず失敗するでしょう。次回は「残...